手彫りは、荒彫りの後、仕上げという作業を必ず行います。仕上げは文字を最終的に作り出し・枠の太さなどを整えます。そのため文字や枠の角度が緩やかになり見た目に加え強度を増すはんこになります。落としたり堅いものにあてたりしない限り、通常の使用環境では文字が欠けたりすることは、まずないでしょう。
以下の断面図のように、手彫りは機械彫りと比べ台形(土手)のような高い耐久性を誇ります。
手彫り
台形(土手)があるので強い
機械彫り
直立しているのでもろい
面擦り
まず印材の印面を念入りにトクサで調整していきます。新品の印材でも印面は意外と平らでない場合が多い為です。
印稿(下書き)
当店はご注文いただいたお客様ひとりひとりをイメージし書き起こします。
字入れ
先ほど書いた下書きを忠実に印材に逆さ字で書き起こします。手彫りはんこにおいて「印稿」「字入れ」はとても重要な工程です。
粗彫り
印面に書き込んだ文字を崩さないように彫る作業です。
印面調整
彫刻文字の角の部分を印刀で削り文字を調整しながら印面を仕上げていきます。同時に彫り残した部分等を調整していきます。印影の出来上がりを決めます。
仕上げ
これまでの全ての工程の最終段階です。この仕上げで文字の「しなやかさ・美しさ・強さ」を表現していきます。集中力が非常に必要とされる工程で、一瞬の気の緩みが刃先に伝わるくらい繊細な作業です。